2017年 07月 18日
7月18日(火) 第3日、Silvretta小屋 ~ 氷河学習回遊コース ~ Alp Sardasca(下山) |
ここの小屋のロケーションはモルゲンロート(朝焼けに染まった山景色)を見るには向かない場所ですが、それでも一応目覚ましをかけて日の出前に起きました。
すぐそばの山の頂上が少しだけモルゲンロートになっています。
小屋から入下山口のAlp Sardascaまで、まっすぐ降りれば2時間もかからないそうです。それでもわざわざココに泊まったのは「スイスの山小屋体験」が目的の一つだったこと。そうじゃなくても天気のいいときに山中の山小屋で一晩過ごすのは気持ちいいものです。
天気はいいし、このあと急ぐ用事は何もないので、おススメらしい「氷河学習回遊コース」を一周してから帰ることにしました。この地図のオレンジ色のルートです。
氷河が見える高台までは昨日歩いた登山道を戻ります。
ジルブレッタ小屋。
ジルブレッタ氷河の全景、といいたいところですが、奥の方は右手前の山に隠れています。全体に傾斜が穏やかなこともあって、積雪期の山スキーではこの氷河を登り降りするのがメインルートの一つだそうです。
隣のなんちゃら氷河は傾斜がキツいので熟練者向きか。(それでも一応地図には山スキーコース印が付いている。)
回遊コースは登山道から離れて、かつて氷河が押しのけた土でできた尾根上のところをまず下流側へ。
ところどころに、こういう解説記事つき案内板があるので「氷河『学習』回遊コース」という名前になっています。写真は1967年にこの場所から撮ったもの。
こちらは現在の姿。当然ですが、氷河の後退が分かります。
テントウ虫。斑点のないやつもいます。
さらにどんどん下り、、、
一番下りきったところからは本流の滝が見えます。さすがに大きな氷河なので水量が立派です。
「1882年にはここが氷河の末端であった。1850年(おそらく最初に記録に残っているもの)の場所から470m後退した。」
氷河の後退は20世紀後半に始まったわけではないのですね。
実際、人間の活動の影響以前に、地球上の気候は寒冷な時期と温暖な時期をなんども繰り返してきたというのはいろんなところで読みます。何万年も前の話だけではなくて、数百年とか数十年とかいう単位でも変動していると。
とはいえ、この数十年の温暖化は桁違いに急ペースなもので、これが人的活動の影響ではないという一部の学説には詭弁を感じます。
今川床になっているところはかつては氷河の底。氷河に削られて磨かれて、滑らかな表面と縦筋が特徴的です。(この辺も案内板に解説あり。)
土がかぶって草が生えているところも、一皮向くと同じようになっているのでしょうか?
たまにはお花の写真も撮ります。
1944年に氷河末端だった場所と、その場所から見る現在の氷河。
同じく、1959年版。
周遊路沿いの池は、氷河の融水が流れ込まないので水が澄んでいます。
1981年。
そして、、、
これはショックでした。ほんの10年で、数百m後退しています。
現在の氷河の末端は平らなところなので、崩れ落ちたりするのではなく自然に融けて消えてゆきます。
今一度、上の方を見上げます。
この辺から回遊路は氷河を離れて登山道の方へ向かいます。
登山道との合流点。ここから登山道を少し下ると、今度は周回路は山側に逸れて斜面の高台の方へ。(氷河末端跡の高台とはまた別)
こんな感じの小さな池がいくつかあって、、、
「逆さナントカ」は誰もが写真を撮りたくなるもの。
前日登った「Tällispitz」から直接下る道と合流。「小屋はこっちですよ!」
このあたりで氷河の見納めか。(実は下山後に街からもう一度見えた。)
11時25分、ジルブレッタ小屋帰着。
ここからバスタクシーの会社に電話して、13時45分のやつを予約しました。このバスタクシー、発車時刻は決まっているが、予約があったときのみ走るというもので、基本的には予約必須。ドイツ語圏でよかった。。。(こういう場所なので英語でも通じるとは思いますが)
あとは歩きやすい登山道をひたすら下るだけ、、、のはず。
下界が近づくとさすがに暑くなってきました。沢沿いは涼しいので一服。
あと少し。
13時20分、Alp Sardasca到着。
あとはこのバスタクシーが街まで連れてってくれます。
これにてこの夏の山歩きは終了。
小屋から入下山口のAlp Sardascaまで、まっすぐ降りれば2時間もかからないそうです。それでもわざわざココに泊まったのは「スイスの山小屋体験」が目的の一つだったこと。そうじゃなくても天気のいいときに山中の山小屋で一晩過ごすのは気持ちいいものです。
氷河の後退は20世紀後半に始まったわけではないのですね。
実際、人間の活動の影響以前に、地球上の気候は寒冷な時期と温暖な時期をなんども繰り返してきたというのはいろんなところで読みます。何万年も前の話だけではなくて、数百年とか数十年とかいう単位でも変動していると。
とはいえ、この数十年の温暖化は桁違いに急ペースなもので、これが人的活動の影響ではないという一部の学説には詭弁を感じます。
土がかぶって草が生えているところも、一皮向くと同じようになっているのでしょうか?
この辺から回遊路は氷河を離れて登山道の方へ向かいます。
ここからバスタクシーの会社に電話して、13時45分のやつを予約しました。このバスタクシー、発車時刻は決まっているが、予約があったときのみ走るというもので、基本的には予約必須。ドイツ語圏でよかった。。。(こういう場所なので英語でも通じるとは思いますが)
これにてこの夏の山歩きは終了。
by weingau
| 2017-07-18 23:00
| Reise